二重サッシ
窓の断熱性能を高めることで、室内の快適性を向上させ、省エネ効果を実現するのが二重サッシリフォームです。
特に冬場の暖房効率向上や結露防止、夏場の冷房効果の持続に優れた効果を発揮します。
また、防音性や防犯性の向上にもつながるため、さまざまなメリットが期待できます。
二重サッシとは?
二重サッシとは、既存の窓の内側または外側に新しい窓を追加することで、窓を二重構造にする工法です。内側に取り付ける場合は「内窓(インナーサッシ)」、外側に設置する場合は「外窓」とも呼ばれます。この構造により、外気との温度差を和らげ、断熱・防音効果を高めることができます。窓は建物の中でも熱の出入りが最も多い部分のため、二重サッシ化することで冷暖房の効率が向上し、省エネ効果が期待できます。

二重サッシのメリット
01 断熱性の向上
二重サッシにすることで、ガラスとガラスの間に空気の層ができ、外の冷気や熱気を効果的に遮断することができます。これにより、室内の温度を一定に保ちやすくなり、夏の暑さや冬の寒さを防ぐことができます。特に、既存のサッシが断熱性の低いアルミ製の場合、内側に樹脂製サッシの内窓を追加することで、熱伝導率を大幅に下げ、断熱性が向上します。結果として、冷暖房効率が改善し、光熱費の削減にもつながります。

02 結露防止
冬の時期に室内の温かい空気が冷たい窓に触れると結露が発生しやすく、窓枠や家具に水滴がついてしまうことがあります。しかし、二重サッシでは室内の暖かい空気が直接外の冷気に触れることなく、間に空気の層が結露を防いでくれます。結露が減少することで、窓や壁にカビが発生するリスクを低減させ、家の中の衛生状態を保つことができます。特に湿気が多い季節や地域では、二重サッシは有効な対策となります。

03 防音効果
二重サッシを導入することで、外部からの騒音を大きく減らすことができます。例えば、車の音や近隣の音、風の音などを遮断できるため、家の中で過ごす時間がより静かで快適になります。特に繁華街や交通量の多い道路沿いに住んでいる場合、外部の音が室内に入ってくるのを防げるため、プライバシーの保護にも貢献します。防音性能をさらに高めるために、防音ガラスを使うことも可能です。

04 防犯効果
窓は空き巣の侵入経路として狙われることが多いため、二重サッシはその防犯性を高める役割を果たします。二重窓にすることで、ガラスが二重になるだけでなく、外からの侵入を試みる際に時間がかかるため、犯行を思いとどまらせる効果があります。特に一人暮らしの女性や高齢者が住む家庭では、防犯対策として非常に有効です。また、窓の強度が増すことで、破壊に対しても耐性が向上します。

05 省エネ効果
二重サッシの導入によって断熱性能が向上すると、冷暖房効率も良くなり、エネルギー消費を削減できます。外部の気温に左右されにくくなるため、室内温度が安定し、暖房や冷房の使用時間を減らすことが可能です。これにより、電気代やガス代の節約にもつながり、環境にも優しい省エネ効果を実現できます。特に長期間にわたって利用すれば、その分のコストパフォーマンスも非常に高くなります。

二重サッシのデメリット
二重サッシ導入においていくつかデメリットも存在します。
以下は、二重冊子を使用する際に考慮すべきデメリットです。

コストが高い
二重サッシの導入には、追加の窓や工事費用がかかります。特に内窓設置では既存サッシに取り付けるための費用が発生し、外窓の場合は足場の設置が必要になることもあります。

換気しにくい
内窓を設置すると、窓の開閉が二重になり換気の手間が増えます。頻繁に開ける必要がありますが、面倒になりがちです。

掃除がしづらい
二重サッシはガラスが重なるため、掃除が難しくなります。手が届きにくい部分に汚れがたまりやすく、定期的な清掃が必要です。
二重サッシの種類と費用
二重サッシには、使用するガラスの種類によって性能や価格が異なります。
断熱性や防音性を高めるためには適切なガラスを選ぶことが重要です。
01 単板ガラス
最もシンプルな窓ガラス
単板ガラスは、1枚のガラスのみで構成された最もシンプルな窓ガラスです。厚みは3~6mm程度で、一般的な住宅に広く使用されています。価格が安く、初期費用を抑えたい場合に適していますが、断熱性や防音性は低く、特に冬場は窓の表面が冷えやすいため結露が発生しやすくなります。寒冷地や騒音が気になる場所では、より性能の高いガラスを検討する必要があります。
02 ペアガラス
結露を抑える
ペアガラスは、2枚のガラスの間に空気やアルゴンガスなどを封入し、断熱性を高めたガラスです。別名「複層ガラス」とも呼ばれ、単板ガラスと比較すると高い断熱性能を持ち、結露を抑える効果があります。外気温の影響を受けにくく、夏は冷房効率を上げ、冬は暖房の熱を逃しにくいというメリットがあります。価格は単板ガラスより高くなりますが、光熱費の削減が期待できるため、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスの良い選択肢となります。
03 高断熱複層ガラス(Low-E複層ガラス)
約1.5倍の断熱性能
高断熱複層ガラスは、ペアガラスの性能をさらに向上させたガラスで、室内側のガラスに特殊な金属膜(Low-Eコーティング)を施しています。この加工により、放射熱を低減し、室内の暖房熱を外に逃がさない効果があります。冬場は室内の暖房を効率的に保ち、寒さを和らげることができるため、特に寒冷地での使用に適しています。また、一般的なペアガラスと比較して約1.5倍の断熱性能を持ち、省エネ効果が期待できるため、快適な室内環境を維持しながら光熱費の削減につながります。
04 遮熱高断熱複層ガラス(Low-E遮熱ガラス)
室内温度の上昇を抑える
遮熱高断熱複層ガラスは、高断熱複層ガラスと同様にLow-Eガラスを使用していますが、Low-Eコーティングが施される位置が異なります。室外側のガラスにLow-E加工を施すことで、太陽からの熱を窓の外側で遮断し、室内への熱の流入を防ぐことができます。そのため、夏場の冷房効率を高め、室内温度の上昇を抑える効果があります。特に日差しの強い地域や南向きの窓には適しており、窓からの熱流入を約60%軽減することで、快適な住環境を実現します。
二重サッシは、窓からの熱の出入りを抑えることで冷暖房の効率が向上し、光熱費の削減にもつながります。また、外部の騒音を軽減し、快適な居住空間を作る効果も期待できます。ガラスの種類によって性能や費用が異なるため、住まいの環境や予算に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。寒冷地では高断熱複層ガラス、暑い地域では遮熱高断熱複層ガラスが効果的な選択肢になります。二重サッシの導入は、快適で省エネな暮らしを実現するための有効な手段です。住まいの環境を見直し、最適な窓選びを検討してみましょう。
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いつでもご相談ください。