屋根
屋根は台風や大雨、紫外線から大切なお住まいを守る重要な部分です。
しかし、普段目にする機会が少なく、現在の状態を把握しにくいため、
気づかないうちに劣化が進行していることもあります。
屋根リフォームの種類と費用
屋根リフォームには 大きく分けて「屋根全体工事」 と 「部分修復工事」 の2つがあります。
屋根の状態や予算に応じて、最適な工事を選びましょう。
屋根全体工事
屋根全体のリフォームには、以下の3つの代表的な工法があります。
屋根塗装工事
屋根の表面に塗料を塗布し、保護層を形成することで、耐久性や防水性を向上させる工事です。紫外線や雨風による劣化を防ぎ、屋根の寿命を延ばす効果があります。既存の屋根材を維持しつつ、比較的手軽にメンテナンスを行いたい場合に適しています。

塗装による補修は比較的費用を抑えられ、工期も短いため(約2週間)、手軽に施工が可能です。また、遮熱塗料を使用することで、夏場の室内温度を抑え、冷房費の節約にもつながります。屋根の状態が良い場合は、定期的な塗装で耐久性を維持できるのも魅力です。
屋根材の傷みが激しい場合、塗装をしても十分な効果が得られず、補修工事が必要になることがあります。また、塗料の種類によって耐用年数が大きく異なり、頻繁なメンテナンスが必要になる可能性があります。耐久性を重視する場合は、フッ素塗料や無機塗料を選ぶ必要があり、その分コストが上がる点も考慮すべきポイントです。
アクリル塗料
アクリル塗料は、軽量で扱いやすく、施工が簡単な塗料です。比較的安価で、色の選択肢が豊富ですが、耐久性は他の塗料に比べてやや劣ります。紫外線に弱いため、長期間の使用には向かないことがあります。
シリコン塗料
シリコン塗料は、耐久性が高く、長期間の使用に耐える塗料です。紫外線や酸性雨にも強く、汚れが付きにくいという特徴があります。コストパフォーマンスが良いため、人気のある選択肢です。
フッ素塗料
フッ素塗料は、非常に耐久性が高く、長期間にわたって屋根の美しさを保つことができます。高価格ではありますが、耐候性や耐久性が非常に優れており、10年以上の長期的な保証を持つこともあります。色あせや劣化を防ぎ、メンテナンスの頻度を減らします。
ウレタン塗料
ウレタン塗料は、柔軟性があり、密着性が高いことが特徴です。耐候性にも優れ、価格が比較的リーズナブルであるため、広く使用されています。ただし、紫外線に弱いため、定期的なメンテナンスが必要です。
アルミ系塗料
アルミ系塗料は、断熱性や遮熱性に優れた塗料で、屋根の温度を抑える効果があります。特に夏場の暑さ対策に有効です。高反射率が特徴で、エネルギー効率の向上にも貢献しますが、価格が高めである点がデメリットです。
屋根重ね葺き工事(カバー工法)
既存の屋根の上に新しい屋根材をかぶせることで、耐久性を向上させる工事です。解体作業が不要なため、工期を短縮しつつコストを抑えることが可能で、比較的手軽なリフォーム方法として人気があります。

既存の屋根を撤去しないため、解体費用や廃材処理費がかからず、施工期間も短縮できます。また、屋根が二重構造になることで、断熱性や遮音性が向上し、室内環境を快適に保つ効果も期待できます。現在の屋根材に問題がなければ、コストパフォーマンスの良い選択肢となります。
屋根の下に湿気がこもる可能性があり、適切な換気対策が必要になります。また、すでに屋根が重くなっている建物では、さらに重量が増えることで耐震性に影響が出る可能性があるため、施工前の診断が重要です。場合によっては、カバー工法が適用できないケースもあるため、注意が必要です。
屋根葺き替え工事
古い屋根材を撤去し、新しい屋根材を施工することで、屋根全体をリニューアルする工事です。屋根の耐久性を根本的に向上させ、長期的なメンテナンスコストを抑えられるのが特徴です。

屋根材をすべて新しくするため、耐久性が大幅に向上し、次のメンテナンスまでの期間が長くなります。また、屋根の下地部分も補修できるため、雨漏りの根本的な原因を解決でき、住宅の資産価値を高めることにもつながります。さらに、耐震性や断熱性を考慮した屋根材を選ぶことで、家全体の性能を向上させることができます。
既存の屋根を撤去するため、解体費用や廃材処理費が発生し、カバー工法と比べて費用が高くなる傾向にあります。また、施工期間が約2週間から1カ月と長めで、天候の影響を受けやすいため、工事のタイミングを慎重に考える必要があります。
部分修復工事
屋根の状態によっては、全体リフォームではなく 部分的な修復 で対応できる場合もあります。
漆喰補修工事
漆喰は、日本瓦に使われる接着剤として重要な役割を果たしています。しかし、漆喰がひび割れたり劣化したりすると、瓦のずれや雨漏りの原因になります。漆喰自体の耐久性は約15年ほどで、定期的な点検と補修が必要です。

瓦屋根補修工事
瓦屋根にひび割れやずれが発生した場合、瓦屋根の交換や補修が必要です。日本瓦は非常に長持ちしますが、一定の年数を経ると補修が必要になります。

コーキング補修工事
コーキングは、屋根の隙間やひび割れを防ぐために使用される材料です。屋根や外壁のコーキング部分は、紫外線や雨風による劣化が進むと、ひび割れや剥がれが発生します。その結果、防水機能が低下し、雨漏りにつながることがあります。

棟板金交換工事
棟板金は、屋根の接合部分を覆い、雨水の浸入を防ぎながら屋根材を固定する役割を持っています。腐食や劣化が進むと、棟板金が浮いたり、台風や強風で飛ばされてしまうことがあります。

雨樋工事
雨樋は、屋根に降った雨水を適切に排水するために欠かせない設備です。雨樋が変形したり、落ち葉やゴミが詰まって水が正常に流れなくなると、雨水が溢れて外壁を汚したり、屋根裏や基礎部分へ水が染み込む原因となります。


屋根リフォームは、屋根の状態や予算に応じて
適切な工法を選ぶ ことが重要です。
屋根材の特徴と費用
屋根材を選ぶ際には、素材ごとの特徴や費用、耐久性をよく理解することが重要です。
ここでは代表的な屋根材について、その特徴と費用を詳しく紹介します。

スレート瓦
スレート瓦は、セメントを主成分とした薄い板状の屋根材で、多くの住宅に採用されています。比較的軽量で施工しやすく、カラーバリエーションも豊富なため、デザインの自由度が高いのが特徴です。価格が安価な点も魅力ですが、耐久年数は約20~25年とやや短く、定期的な塗装メンテナンスが必要になります。また、薄いため衝撃に弱く、ひび割れが発生しやすい点には注意が必要です。

ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛の合金でメッキ処理された金属屋根材で、高い耐久性と防錆性を備えています。重量が軽いため建物への負担が少なく、耐震性にも優れています。また、熱反射率が高く、夏場の屋根の表面温度上昇を抑える効果もあります。さらに、50年以上の長寿命を誇り、メンテナンスの頻度が少なく済む点も魅力です。ただし、薄い金属板であるため、強い衝撃による凹みや、雨音が響きやすいといったデメリットもあります。

日本瓦
日本瓦は、粘土を焼き固めて作られる伝統的な屋根材で、非常に高い耐久性と防水性を誇ります。50年以上の長寿命を持ち、塗装の必要がなく、メンテナンスの頻度も少ないのが特徴です。重厚感のある見た目で、和風建築に最適な屋根材ですが、重量があるため、建物の耐震性に影響を及ぼすことがあります。また、施工費用が他の屋根材に比べて高くなる傾向があり、定期的な漆喰の補修が必要になります。
屋根材を選ぶ際には、以下の点を考慮することが重要です。

屋根の重量が建物全体の耐震性に影響を与えるため、軽量な屋根材ほど地震対策に有利です。

屋根材ごとに適した勾配が異なるため、建物の構造に適したものを選ぶ必要があります。

火災に強い屋根材を選ぶことで、安全性を高めることができます。

長寿命の屋根材でも、定期的なメンテナンスが必要です。維持管理のしやすさも考慮しましょう。
屋根リフォームを検討する際は、屋根全体の補修が必要か、部分工事で対応できるかを見極めることが大切です。そのためにも、現場調査を丁寧に行い、工事範囲を明確に説明できる施工業者を選びましょう。また、費用だけで判断せず、長く快適に住み続けるために、各工事のメリット・デメリットを踏まえて適切なリフォームを選ぶことが重要です。気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。
住まいのことでお困りの際は、
いつでもご相談ください。